胃癌の手術を終えた父は順調に回復している。
抜糸(糸だろうか?大きなホッチキスみたい…)して2日経つ。お腹に力を入れても、もう痛みを感じないようだ。こうなると、一日でも早く退院したいらしい。点滴がなくなったので、あとは食事リズム(少量をゆっくり食べる)をつけることが大切。食事は重湯と白身魚や野菜の煮付けなども食べられるようになった。食事量の目安は、通常の病院食の約半分。術後は「ダンピング症候群」に気をつけなければならない。食事時間が短いと具合が悪くなるらしい。(近畿大学医学部HPに分かりやすい説明がある。興味のある方はご覧ください。) 入院から手術までの1ヶ月半は、父にとっても私にとっても長い時間だった。唯一のストレス発散は病院内の散歩。散歩といっても車椅子での移動。父は杖があれば歩けるが、衝突・転倒事故を未然に防ぐという理由で、車椅子で移動するように病院側から求められた。院内の散歩といっても、東西2箇所にある売店に行くだけ。女性患者の大部屋から桜並木が見えるので、桜の開花シーズンにずうずうしく入らせてもらって、窓越しで花見をしたこともあった。 病棟エレベーター内の壁には、館内案内表示の大きなプレートが張ってある。父はエレベーターに乗ると、必ず他の患者や見舞い客に「ここにだけは絶対に行きたくないですなぁ」と言いながら、プレートの“地下1階 霊安室”を指差す。私は最初、「何言ってるのぉ?」と言いながら、他の人に苦笑い。しかし、毎度言うものだから、だんだん他の人の反応を冷静に観察するようになってしまった。 看護師1・・・「そうよ。だから治しに来たんでしょ? 頑張って」 見舞いの中年女性1・・・笑いながら「ええ、ええ、ホントにね。絶対に行っちゃダメよ!」 看護師2・・・「やだもう…。」 点滴スタンドにつかまる男性患者・・・「ほーんとだよね。なんでこうなっちゃったか…。オレ退院するからね。まだ見通しついてないけどさ。」 見舞いの中年女性2・・・「そうですよ。もちろんー」と父の肩を叩く。 看護師3・・・大笑いして「そう言う人は絶対に行かないよ!」 パジャマ姿の老人患者・・・こっくり2回うなずく。 見舞いの若者・・・「れい・あん・しつ… かぁ…」 見舞いのヤ○ザ風の男性・・・鼻息だけ。 看護師4・・・「そうそうそうそう!」 狭い空間をほんのわずかな時間共有するだけなのに、返事をしてくれる人は結構いるものだ。 執刀医 「肺炎を起こす危険は少なくなりました。月末退院を目指して、頑張りましょう!」 うまくいけば今週末に退院できそう!
by smile-kazuyo
| 2006-04-24 13:38
| 介護
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