~カーリング競技の開催地、軽井沢で語学ボランティア(8年前)~
カーリングの会場は軽井沢・風越アリーナ。 放送機材の設営は開会式前から進められていた。 一方、外国人メディア(主にカナダ人)は中継や特別番組の準備のため、会場の外に出て、軽井沢の街の様子や周辺の山々の風景を映像&画像に収めようとしていた。(素材の撮り溜め)しかし、事前に日本や軽井沢の下調べをしていたものの、現場に行くと言葉の壁が立ちはだかり、彼らの仕事は思うようにはかどらなかった。 例えば… ★スキー場で 軽井沢の全景を山頂から撮影するため、カナダ人スタッフ3人が重いTVカメラをかついで、Pホテルのリフト乗り場に向かった。チケットを買い、リフトに乗ろうとすると係員に引き止められる。 「スキー板やスノーボードを持っていなければ乗せない」と言われたそうだ。 「五輪の取材なので、特別に許可して欲しい」と頼んでも、英語の分からない係員は、ダメの一点張り。3人でジェスチャー入りで何度説明しても、「絶対ダメだ」と断られる。 結局、その日は半日仕事にならず、彼らは落胆して戻ってきた。他の外国で、そのような対応を受けたことがないらしい。「英語が通用しない」と言って欲求不満な様子。 その話を聞いた私がPホテルに電話をかけて事情を説明し、彼らの要望を伝えると、難なくOKが出た。(放映版のクレジットに「協力:Pホテル」と入れる条件は付いたが) 翌日、彼らは望みどおりの場所で撮影に成功。現場ではPホテルの広報が待機していたと聞いている。私も同行を要請されたが、ホテルのマネージャーからホテルマン向けに五輪関連の簡単な英会話教室を開いて欲しいと依頼されていたので、そちらの方を優先。 カナダの3人組は、その夜、上機嫌でホテルに戻ってきた。天候が前日よりも良く、山頂から美しい映像が撮れたらしい。彼らにとっては必須映像だったのだろう。 その夜、晩酌(?)のお相伴にあずかる。よかったよかった(^^) ★蕎麦屋で 日本を代表する食べ物、蕎麦。 例の3人は、今度は蕎麦屋に向かった。信州蕎麦の紹介映像を撮るために。 ところが店に入るなり、店長以下、全員が顔面蒼白に。(…3人の話による) とても取材に応じてくれそうな雰囲気ではなかったらしい。またまた落胆した3人。 しかし、めげずに蕎麦を注文し、食べながら様子を伺う。しかし結局、また何もせずに帰ってきた。前に習い、私が店に電話を入れて取材の申し込みはOK(^^) 私は彼らに、事前に取材申し込みをしておいた方が効率的だと提案した。リエゾン役ならいくらでも引き受けると付け加えて。 軽井沢の良さをきちんと紹介して欲しいと思い始めた私は、ホテルマンに頼み、周辺のガイド雑誌を数冊買ってきてもらった。その後、例の3人をいろいろな場面でサポートし、私は「コンシェルジュ」と呼ばれるようになってしまった。 蕎麦屋で店員たちが引いてしまったのは、別な理由ではないかと思う。 3人の内の1人は、身長2メートルほどの大柄な男性。彼の大きさに驚いただけなのではなかろうか。(彼は「ホテルのユニットバスが小さすぎて、体が入らない」と嘆いていた) 私が対応した外国人メディアは、日本に入ってから意思疎通に苦労し、「英語が分からないから」と拒絶されてしまった人々が大勢いた。 ★長野駅前 カーリング会場はメインの長野から離れている。 カーリング関連の外国人メディアは、長野プレスセンターや他の競技会場へ遠距離移動を余儀なくされた。 NAOCは五輪関係者向けに交通機関のタイムテーブルを発行。実は、それが調べにくく不評だった。外国人メディアは朝、時計とそのタイムテーブルを見ながらオロオロ。 そこで、五輪専用の交通機関を(関係者はパスがあれば無料)できるだけ利用すべく、 「軽井沢~長野オリジナル・ガイドマップ」を作成することにして、実際、鉄道と五輪専用バスを乗りついで、ボランティア仲間と2人で長野へ行ってみた。 開会式前の長野駅周辺には、大勢の外国人がいた。 しかし、タクシーの運転手さん達は一様に不安な面持ち。 私達が駅に到着した時、あるタクシーの運転手さんが車から降りて叫んでいた! 「どなたか~! 英語の分かる人はいませんか~!」 3人連れの外国人客が英語をまくしたてていた。ボランティアのユニフォーム姿でアクレディテーション・カード(語学)をぶら下げていた私たちは、そのタクシーに駆けつけた。 お客はドイツ人。不思議な英語の響きだったが、運転手に内容を伝え、安心させてあげた。 「仲間が分宿するホテル3軒に、順番に行って欲しい。 ○○ホテル、××ホテル…」 (そう、長野周辺は宿の予約が取り難かったのです) タクシー運転手が悲鳴をあげる!…これぞ“オリンピックの光景” 「英語版オリジナル・マップ&乗り継ぎ表」は翌日作成し、好評だった。 またコンシェルジュ(?)の腕を上げることとなる(^^) 次回は、ホテルの様子などをお伝えします。
by smile-kazuyo
| 2006-02-20 23:15
| 外出&旅行
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